歴史の知識がなくても2時間ずっと楽しめる!上映中のおすすめ映画「梟ーフクロウー」

レビュー記事

はじめまして。

社会人20年目、7歳、5歳の二人の子育て中、桃子です。

最近の日課は、天才ピアニストの毎日ラジオ「深夜おでん」を
お風呂から上がったあと、脱衣所を出るまでの間に聴くことです。
10〜15分くらいなので尺もほどよく、庶民的感覚とセンスが混ぜ合わされた、テンポ良いお二人の会話が好きすぎる。

突然ですが、2024年2月9日全国ロードショー
上映中の「梟ーフクロウー」という映画がとても面白かったので、それについて書いてみます。

なんだかたくさんの賞にノミネートされているみたいだけど、歴史映画?サスペンス?没入感?
そんな感じでこの映画、気になりつつも、お楽しみのメインディッシュは何なのか
イマイチつかめず。

そんな私と同じく、「史実に残された最大の謎に迫る」といったキャッチフレーズから
ストーリーがややこしいかも、歴史の知識がいりそう
といった不安を煽られ、貴重な時間とお金を使って映画館に足を運ぶのを躊躇している方、
いませんでしょうか。

私は40代で、映画・ドラマ・小説・漫画・アニメなど、どのコンテンツも
新旧・国を問わずエンジョイしますが、その中で唯一
積極的に時間を費やさないジャンルが歴史もの、といった人間です。

例えば、「キングダム」の漫画は大好きですが、「三国志」は、うーん。
嫌いではないけど・・この感じ、伝わるでしょうか。
エンターテイメントが好きなんだと思います。
そのため、気になる作品はたくさん存在するけど、限られた時間の中で
どうしても歴史ものや時代ものは、優先順位が低いんですよね。

でも実はこの映画、歴史の知識なんか皆無でも、2時間ひたすたドキドキが味わえる
完全なるエンタメ映画でした!

スリリングなポスタービジュアルに惹かれただけで、時代背景に興味が薄く
内容の理解に一抹の不安を抱えて映画館に突撃した私が、存分に楽しめました。

ということでこの記事では、極力ネタバレを避けながら、「梟ーフクロウー」の個人的な感想を書いています。

この記事を読むと、「迷ってたけど『梟ーフクロウー』を観に映画館へ行こう!」
と思っていただけるはずです。

結論、歴史など知らなくても「梟ーフクロウー」は誰でも楽しめるエンタメ作品です。

ストーリーの理解は公式サイトさえ読めばOK

公式サイトのうたい文句には、[全感覚麻痺]のサスペンススリラー、圧倒的没入感!とあるのですが「史実に残された最大の謎に迫る」という部分から、ストーリーの中で史実の謎にも迫るのかと思っていました。

でも、よくよく公式サイトを読み進めると、「史実に残された『怪奇の死』にまつわる歴史的な謎に、斬新なイマジネーションを加え誕生した梟は〜」とあります。

つまりこの映画は、朝鮮王朝実録に記された「怪奇の死」という事実について、「実は裏側はこうだったのでは?」「こうだったらスリリング」そういった「イマジネーション」を働かせて制作された架空の話です。

なので「梟ーフクロウー」の、「怪奇の死」以外はあくまで創造であるため、ストーリー理解には
深い歴史の知識は必要ないのです。

メインのお楽しみは、ストーリー展開ではなく「作品への没入感」

公式サイトにもありますが、この作品のメインディッシュはやはり「圧倒的没入感」でした。
ストーリーについては、当時の韓国と朝鮮の関係性を理解していなくとも楽しめるよう、作中で割と説明してくれていました。

盲目の天才鍼師ギョンスが、弟の病を治すお金を稼ぐため、
「ある秘密」を隠して宮廷で働いている。
ある日、王の子の怪死、という事件現場に遭遇し、参考人として追われる身となるギョンス。
闇に迫る狂気から、ギョンスは無事に逃げ切れるのか、事件の真相は何なのか。

ざっくりとしたストーリーはこのような感じです。

ストーリーの運び方で特徴的だったのは、効果的に切り替えられた「視点」です。

中盤までは、しっかりと三人称の観客視点で撮られているのですが、
それが突如「事件」の場面で一人称の主人公視点に切り替えられるのです。
そこで観客は、主人公視点で共に事件を目撃する錯覚に陥り、
現に私もこの瞬間から、ストンと作中に没入したのだと思います。

この、登場人物の視点で撮影された映像は「主観ショット」と呼びます。
登場人物の視点を視聴者が共有できるため、現実感や緊迫性が高いのが特徴とされていますが
この瞬時の「視点」切り替えが、ストーリーの急展開と合わさって抜群のスパイスとなっていました。

そこから、物語が一気に加速します。
それまでは、いってみれば盲目鍼師の宮廷サクセスストーリーなのですが、一気に主人公は追われる身となります。
寝転んでいたとこからの急な全力疾走、といったレベルの加速具合が心臓バクバクもので、
ラストまで鼻息荒く興奮しっぱなしでした。

もう一つ没入しやすかった理由として、画面の薄暗さが挙げられます。
特に、物語が加速する後半は、主人公が夜中に事件に遭遇してから、
夜が明けるまでの時間帯がメインなので、ずーっと薄暗いのです。
単純なことですが、息の詰まるような薄闇の中で起こる事件に、
何倍ものスリルを味わえたと思います。

さて肝心の、事件の犯人はというと、事件が起こると同時に観客には分かっています。
私たち観客は、主人公ギョンスと共に、真犯人を目撃するという斬新な展開。
メインの楽しみは犯人探しではない、ということがはっきりと分かりますよね。

余談ですが、私は「古畑壬三郎」のドラマをこよなく愛しています。
あのドラマも、冒頭からいきなり犯行シーンで、楽しむべきはストーリー展開や犯人探しではない、という明確な意思表示のある作品の代表ですよね。

話が逸れましたが、つまり「梟ーフクロウー」においてメインで楽しむのは「没入感」や「スリル」であり、犯人探しなどではないことから、ストーリーを複雑にする必要のない映画である、ということがいえます。
そのため、歴史の知識などなくても存分に楽しめるのです。

まとめ

映画「梟ーフクロウー」のメインの楽しみは「没入感」なので、ストーリーはいたってシンプルです。
鑑賞前に公式サイトをさっと読むだけで内容は問題なく理解でき、
歴史的知識が皆無の方でも、超楽しめると思います。

ひとつ注意点があるとすれば、絶っっ対に映画館での鑑賞をおすすめします。
最終的に作品についてのお好みはそれぞれですが、これだけは強めに言えます。
じゃないと、メインディッシュの「深めの没入感」味わえないので。

また、ポスタービジュアルの写真が、眼球に針を刺そうとしているショットだったので、
そっち系の描写は苦手・・という方、あれはほんの一瞬、あの時だけで、しかも刺されません。
目を背けたくなるシーンは記憶にないので、その理由で鑑賞をためらっている方は、思いきって映画館へゴーだと思います。

そういうわけで、映画好きならぜひ観て欲しい作品です!

では、今日はこのへんで、さようなら。

さあ、好きなことしよう。

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