こんにちは。
社会人20年目、桃子です。
最近行きたい場所は、精神と時の部屋。
(ドラゴンボールご存知ない方、すみません)
今回は、日本を代表する名優・田村正和さんの代表作である刑事ドラマ
「古畑任三郎」について、その魅力を語ってみたいと思います。
1994年に、ドラマ「警部補 古畑任三郎」の第1話が放送された当時、私は小学校3年生。
皆様ご存知の通り、ドラマ古畑任三郎は、番組冒頭で事件の一部始終を視聴者に見せ、
主人公である古畑刑事がそのトリックを解き明かす様子や、古畑刑事と犯人との心理戦を楽しむというスタイル。
後ほど詳しく書きますが、その「倒叙型(とうじょがた)」と呼ばれるスタイルのミステリーが、当時の私にとってはとてつもなく斬新で、ハイセンスに感じられました。
そして、古畑任三郎を見ることは、10歳の私にとって一週間のお楽しみとなりました。
最後の放送は、2006年の古畑任三郎ファイナル・松嶋菜々子さんがゲストの「ラスト・ダンス」。
「ラスト・ダンス」では、全シーズンを通して基本的には描かれない、古畑さんの内面を垣間見ることができ、幼心にドキドキしたのを覚えています。
そして時は過ぎ、ドラマ開始時は10歳だった少女も、最後の放送の頃には22歳に!
10〜22歳という多感な時期を古畑さんと共に育った私は、自分でも気がつかかないほどごく自然に、古畑さんのファンに仕上がっていました。
それからというもの、5年に一度くらいの周期で無性に古畑さんに会いたくなり、DVDを借りては一気見、というのを繰り返しています。
そんなわけで今回は、自称古畑フリークの私が、同じような同年代の方、共感しってって〜!
という気持ちを込めて、古畑任三郎の魅力を書き連ねます。
古畑任三郎について、身近に共感できる人、います?私はいませんでした
古畑任三郎の魅力について、同じくらいの温度感で語れる誰か、皆様の周りにいますか?
私の周りには、過去も今も、残念ながら一人もいません。
でも、私が古畑好きを明かすと「見てた〜」「面白かった〜」と一様に好反応で
逆に古畑任三郎を知らない人は、一人もいないレベルの知名度。ほんとすごい!
でも、さらにその先へ進める人となると、本当にもう皆無なのです。
「じゃあさ、どの話が好き?私はね」
と、勇気を出してグッと一歩踏み込んだら最後。
これまた一様に「そこまで覚えてない」と、皆
波が引くのと同じ感じでズザーと静かに引いていきます。
さ・み・し・い
そんな経験から、もう古畑任三郎の魅力を誰かと共感することは諦め
定期的に一人でドラマを繰り返したしなんでいました。
世の中に、自分以外にも古畑好きがいると気づけた令和6年。きっかけは、さまぁ〜ず三村さん、天才ピアニスト竹内さん
前項でお話しした通り、古畑任三郎好きを誰とも共感することもなく時は過ぎ
その間も、定期的に古畑任三郎を一人たしなんでいました。
余談ですが、定期といっても5年間隔くらいなので、こうして振り返ってみると
毎度の視聴方法に時代の変化を感じられます。
最初は店舗に出向いてこの手でDVDを持ち運ぶレンタル方式
次はDVDをネットでレンタル(TSUTAYAディスカス)
先日はFODプレミアム(私のような一般人には、10年前には想像もできないようなサービスだ)
といった具合に、たかだか20年程度で視聴方法がガシガシ進化していることに気づき、時代は流れていることを実感。
そして2024年のある日。
YouTube「さまぁ〜ずチャンネル」の天才ピアニストがゲストの回を視聴していたときのこと。
番組内の企画で、天才ピアニスト突っ込み担当の竹内さんと、さまぁ〜ずの三村さんが古畑任三郎フリークであることを知ったのです。
しかも、オープニングの古畑さんの語りのみでどの話か当てられかというクイズを
実施するほどのレベル。
え!世の中に古畑任三郎好きっているの??しかも私が大好きなお二人!
二重の喜びと発見に、心躍りました。
それをきっかけに、世の中には私のような古畑任三郎好きが多くいるのではないか、と思い検索してみたら、いるいる!!
今までは、私の周囲にそこまでの古畑好きがいないという事実から、世の中もそうであると決めつけて検索するという行動に至らなかったので、これは本当に驚きました。
魅力を語るブロガーの方、古畑任三郎について語る芸人さんなど。
私なんか比じゃないレベルの古畑フリークの方々が、続々。
何という喜び!
それらの記事を読んでみると、共感の嵐で、幸せホルモンがブワ〜と湧くのが実感できました。
共感って嬉しい〜と、シンプルに喜ぶと同時に、今更ながら
人間がググる目的や、web上の記事の存在意義を考えたりもしました。
知りたいことを知るためだけでなく、人は、共感を求めてググることも多いよね。
どれかに必ず共感できるはず!「古畑任三郎」の魅力9選
前置きが長くなりましたが、さっそくドラマ「古畑任三郎」の魅力を述べてみようと思います。
この記事にたどり着いてくださったということは、少なからず古畑任三郎がお好きな方だと思いますので、必ずどれか一つに共感していただけるのではないかと思います。
共感してって〜!
ユーモラスなキャラクターの魅力
ドラマ古畑任三郎の魅力といえば、まず個性が光るキャラクターですよね。
だって、主要な人物が古畑さんと今泉くんの2名というスタイルで、キャラクターの個性無くして作品が成り立つわけがない。
キャラクターの個性が立つかどうかの鍵を握るのは、脚本の力もあるとは思いますが、やはり俳優陣の底力も大きく関係していると思います。
そうなると、田村正和さんの圧倒的な存在感と、西村雅彦さんの演技のセンスが、古畑任三郎を支えているに違いない。
例えば、鈴木保奈美さんが犯人役の回(シーズン2最終回・第23回)では、ニューヨークが舞台ではありますが、ほとんどバスの車内のシーン。
視聴者は、隣同士の座席に座る、鈴木保奈美さん扮する犯人と古畑任三郎の繰り広げる対話劇を楽しむ珍しい作りの回です。
ドライブインでダイナー的な店に降り立つシーンと、ラストのバス停留所のシーン以外、一度も車内以外のシーンはありません。
なのに一切退屈さを与えず、むしろ視聴者を画面に惹きつけワクワクさせるって、どんだけ!
どんだけキャラクターが魅力的なのでしょうか。
古畑任三郎という人物の魅力
主人公の古畑任三郎という人物の魅力は、その表層のイメージと、話数を重ねるごとに少しづつ露呈していく、内面のギャップだと思います。
私だけでなく、人間は、とにかくギャップに弱い生き物です(よね?)。
ギャップ萌えが起こる背景には、心理学的にいくつかの要因があるらしいですが、古畑さんの場合は、その要因の中でも以下の2つが当てはまっていると思いました。
要因1「普段と違う一面を見せることで、相手の多面性や深さを感じる」
→ 鋭く犯行を暴きつつも、目の色や仕草から感じられるの犯人への切ない感情や、同情的な言葉など。
要因2「自分だけに見せてくれることで、特別感や親密感を感じる」
→ドラマはいったん置いといて、視聴者だけに語りかける場面が毎話、必ず2回ある。
あと、「古畑、風邪をひく」(第3シーズン・第30回)では、お地蔵さんにイタズラをしたり
お茶目な一面も。
かわいい。
ドラマ全編を通して、古畑任三郎の私生活や内面が描かれることはほとんどないので、序盤の印象は、皮肉屋で、素直じゃなくて、少々偏屈な変わり者の刑事。
でも、話が進むにつれて、鋭い洞察力や卓越した推理力に加え、犯人に必ず自供させてきていることを誇りに思っていたり、犯人が飼っていた動物を引き取ったり(犬は好きじゃないのに)だったりと、色々な角度から違った人物像が見えてきて、自然と視聴者を惹きつけるのです。
人間関係の魅力感という魅力
人間関係といえば、古畑さんと、今泉くん。古畑さんと、犯人。以上。
シンプルだからこそ、それぞれの関係性を存分に楽しめるのです。
ストーリー上の人間関係は、ドラマや映画、アニメ、漫画など、どんなコンテンツを楽しむ上でも、とても重要な役割を担っていると思います。
特に印象に残っているのは、明石家さんまさんがゲストの回(シーズン2・第14回)で、部下の今泉くんが殺人の濡れ衣を着せられそうになった時の、古畑さんの言動です。
本人に対しては突き放すようなことを言いつつも、今泉くんが不在の場では彼を「友人」と呼び、全身全霊をかけて彼の無実を証明するシーンが、古畑任三郎という人間の全てを表しているようで、とてもかっこいい。
ポンコツだけど、素直で憎めない今泉くんと古畑さんの、おしどり夫婦のような関係性も、ドラマ全体の最高のスパイスです。
第2シーズンから登場する芳賀刑事や、第3シーズンからの西園寺刑事に、今泉くんが露骨に嫉妬をするところなど、最高。
このように、ドラマ古畑任三郎は、登場人物が少ない分人間関係もシンプルなので、幅広い年齢層の視聴者が登場人物同士の人間関係を楽しむことができたのではないでしょうか。
倒叙ミステリー(つまり刑事コロンボ風であること)の魅力
倒叙ミステリーとは、通常のミステリー作品とは異なるプロットで構成される、物語の序盤で犯人や犯行の様子などを明かすという特徴のあるミステリー作品です。
ドラマ古畑任三郎もこれにあたり、見事に大ヒットドラマとなりました。
1970年代に日本でもブームを巻き起こした、アメリカのテレビドラマ「刑事コロンボ」は倒叙ミステリーの代表作で、「古畑任三郎」の脚本家の三谷幸喜さんにも、大きな影響を与えているそうです。
2020年に発売された書籍「刑事コロンボの帰還」の帯に、このような三谷幸喜さんのコメントが書かれています。
「刑事コロンボは、大げさな言い方ではなく、僕の人生を変えたドラマだ」
古畑任三郎が倒叙ミステリーとなったことに刑事コロンボが影響していることは、間違いなさそうですね。
倒叙型のストーリーは、犯人目線で話が進むことが多く、犯人にも感情移入しやすいのも特徴の一つです。
そんなわけで、ドラマ古畑任三郎の魅力として、古畑さんの推理の切れ味や、犯人への思いやりを、犯人サイドの気持ちで味わえる、というのも、欠かせない要素の一つです。
ゲストが豪華という魅力
何といっても、毎回ゲストが豪華すぎる!これは大きすぎる魅力の一つですよね。
どんなに豪華なキャスティングのドラマでも、2話目以降は、初回のようにドキドキワクワクすることはないと思いますが、「古畑任三郎」は1話完結のスタイルなので、毎回豪華ゲストの登場に、新鮮な気持ちで「おぉ!!」と感動できます。
さらに、それらのゲストは「殺人犯」なわけです!
俳優のみならず、中森明菜さんやイチローさん、SMAP、福山雅治さんまで、殺人とは程遠いイメージの方々の「犯行現場」を見ることができるので、謎の背徳感を体感することもできたり。
この、毎回豪華なゲストという配役は、前項で触れた、倒叙ミステリーだからこそ叶うことですよね。
普通のミステリーで豪華俳優が登場すると、犯人だとバレてしまう可能性もあり、豪華な面々を大勢キャスティングしなければならなくなりそう。
が、その問題も、倒叙型ならクリア!
次は誰かな、と毎週ドキドキさせてもらえて、素晴らしいの一言です。
古畑任三郎から話しかけてもらえるという魅力
ドラマ古畑任三郎の名物ともいえる、冒頭の独白と、犯人との対決の前の独白。
好きすぎます。
こっちを向いて話しかけてくれるのが、ファンとして単純に嬉しかった〜
なぜ嬉しいかというと、ドラマの登場人物が視聴者の私たちに語りかけるという行動は、
視聴者の存在を古畑さんが認識していると思わせてくれるから。
例えば、中盤の独白では、古畑さんがトリックを見破った際のヒントを与えてくれ、
「皆様も考えてみてください」という流れが多い。あれも、楽しい!視聴者一体型!
中には、視聴者から寄せられたハガキに答える、という回もあり、その内容が本当に面白い。
古畑任三郎という、ドラマの中の人物が、視聴者の存在を自覚しているという何とも不思議な事態。
三谷幸喜さんのセンスが発揮されまくっています。
そんなわけで、あの「独白」には、他にない凄まじい魅力あり。
まとめ
何か一つでも、古畑任三郎の魅力について共感してもらえていたら嬉しいです。
共感することって、つまり人との繋がりを感じられるということ。
誰かとの繋がりを感じると、幸せホルモンの一つである「オキシトシン」が分泌されるそうです。
確かに私も、古畑任三郎の魅力について共感できたとき、幸せになれました。
では、今回はこのへんで。
好きなことしよ〜
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